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金沢城

金沢城は、石川県金沢市にある平山城である。


天文15年(1546年)、加賀国を支配していた一向一揆は、統治拠点を設けるべく、犀川と浅野川に挟まれた台地上に、城郭風の寺院、尾山御坊(金沢御堂)を築いた。以降、尾山御坊は本願寺の北陸における一大拠点として用いられ、ここを発した一向一揆軍は、有力戦国大名の朝倉義景や上杉謙信とも戦った。しかし、畿内の覇者、織田信長の攻勢には抗しかね、天正8年(1580年)、織田家部将、佐久間盛政の攻撃を受けて、尾山御坊は落とされた。 戦後、佐久間盛政は功績として加賀半国の統治を委ねられ、尾山御坊を金沢城と改称して本拠に定めた。 天正11年(1583年)4月、賤ヶ岳の戦いで敗れた盛政は5月に刑死し、代わって、能登一国の領主であった前田利家が、金沢城と加賀半国を受け取った。


利家は金沢城を本拠と定めると、新たに堀を穿ち、櫓や郭(くるわ)を増設し、天守閣を築くなどの大改修を加えた。工事はその後も続けられ、前田家の領国拡大と合わせて、城は拡張されていった。慶長4年(1599年)、利家は死去し、長男の利長が跡を継いだ。この利長の時代、前田家は能登、加賀、越中の3カ国、122万5千石を支配する、日本最大の外様大名となった。その後、加賀大聖寺藩10万石、越中富山藩10万石が成立、分与されたので102万石となるが、それでも徳川家に次ぐ実力者である事に変わりはなく、家格も徳川家に次ぐものがあった。そして、金沢城とその城下町は、いわゆる加賀百万石のお膝元として栄え、北陸最大級の都市へと発展する。


しかし、金沢城は火の運が悪いようで、度々、焼失を受けている。

慶長7年(1602年)、落雷を受けて、天守閣と本丸の建物が焼失する。これ以降、天守閣が再建される事は無かった。

元和6年(1620年)、火災を受けて、本丸御殿が焼失する。

寛永8年(1631年)、城下の大火を受けて、再建された本丸御殿が焼失する。これ以降、本丸の機能は二ノ丸に移されていった。

宝暦9年(1759年)、城下の大火を受けて、城内ほぼ全域が焼失する。この火災は城のみならず、城下の90パーセント、10,500戸以上を焼き尽くす大惨事となった。おそらく、千人余の死者と万を超える被災者が出ただろう。このため、加賀藩は幕府より5万両を借用して復興に努めた。

文化5年(1808年)、二ノ丸御殿が出火して、全焼する。

明治4年(1571年)、金沢城は陸軍省の管轄下に入り、師団の司令部が置かれるも、明治14年(1881年)、営所より出火して、再建された二ノ丸御殿、五十軒長屋、橋爪門などが焼失する。


現在、金沢城は、石川県が用地を取得して、史実を尊重しつつ、伝統工法と現在工法を織り交ぜて建物を再建しつつある。



金沢城
金沢城 posted by (C)重家

↑石川門

金沢城の特徴の一つが、この独特な外観の海鼠塀(なまこべい)です。


金沢城
金沢城 posted by (C)重家

↑手前が河北門で、奥が五十軒長屋



金沢城
金沢城 posted by (C)重家

↑河北門から見た五十軒長屋



金沢城
金沢城 posted by (C)重家

↑五十軒長屋


金沢城
金沢城 posted by (C)重家

↑五十軒長屋から見た、三の丸広場


金沢城
金沢城 posted by (C)重家

↑五十軒長屋内部

伝統工法と現代工法の双方が、用いられています。



金沢城
金沢城 posted by (C)重家

↑三十軒長屋

安政5年(1858年)に再建された長屋で、重要文化財に指定されています。



金沢城
金沢城 posted by (C)重家

↑極楽橋付近の石垣



金沢城
金沢城 posted by (C)重家

↑玉泉院庭園

寛永11年(1634年)、三代藩主、前田利常によって作庭された庭園で、その後、歴代藩主によって手が加えられていきました。明治時代に廃絶され、大正時代に池は埋め立てられましたが、平成27年(2015年)、絵図、文献等を参考にして復元されました。


金沢城
金沢城 posted by (C)重家

↑玉泉院庭園と奥に本丸石垣

金沢城を散策するなら、合わせて兼六園や東茶屋街を散策するのをお勧めします。そして、食事は近江市場で取っては如何でしょうか。

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