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信州上田城

上田城は、長野県上田市にある平城である。



天正11年(1583年)頃、上田城は、信濃北部の領主である、真田昌幸によって築かれた。昌幸は、かの有名な真田信繁(幸村)の父として知られている。昌幸は、大国の狭間に置かれた弱小な真田家を統率して、なりふり構わぬ生き残り策をめぐらして戦乱を乗り切ってきた、したたかな武将である。そして、この上田城は、昌幸が徳川の大軍をものともせず、二度に渡って退けた城として有名である。


天正13年(1585年)8月、真田家は徳川家に臣従していたが、家康から上州沼田領を北条家に明け渡すよう、申し渡される。当時、家康は秀吉と対峙中であり、背後の北条家との関係を深める必要あっての事であった。しかし、昌幸は豊臣家と上杉家に誼を通じた上で、これを峻拒する。当然、家康は激怒し、昌幸を討つべく、徳川家の部将、大久保忠世、忠教らに諸勢7千余を預けて、上田に送り込んだ。この時、昌幸には2千余の兵しかなく、上田城もまだ未完成であった。だが、昌幸は上杉家に援軍を依頼した上で、秘策をめぐらせてこれを迎え撃つ。


8月2日、上田城正面で両軍はぶつかったが、徳川軍は城内深く引き込まれ、その上で伏兵の反撃を食らって大混乱に陥ってしまう。徳川軍がたまらず退却していくのを昌幸は逃さず追撃し、城外東の神川まで追い詰めて、徳川方多数を討ち取った。この時の徳川軍の死者は、350~1300人余に上った。その後も徳川軍は攻略を諦めず、再び大きな衝突もあったが、11月になって徳川軍は引き揚げていった。


慶長5年(1600年)9月、関ヶ原の戦いの折、真田昌幸は石田三成と通じて、再び徳川方と激突する。家康は上方の三成を目指し、軍を二分して西進する。家康自らは東軍諸将を率いて東海道を通り、子息の秀忠には中山道を進ませた。9月2日、秀忠軍は小諸城まで来ると、上田城に降伏勧告を呼び掛けた。秀忠軍は3万を越える大軍であり、これに対する真田軍は2千人余でしかなかった。昌幸が降伏するのは、当然と思われた。


昌幸はこれに応ずる気配を見せつつも、何かと言い訳をして城の明け渡しを拒んだ。9月6日、昌幸に欺かれたと知った秀忠は激怒し、一挙に城を踏み潰すべく、全軍総攻撃の断を下す。これを迎え撃つ真田軍は、第一次上田合戦同様、小競り合いをしつつ徳川軍を城内に引き付けると、その上で鉄砲、伏兵による痛撃を加えたので、徳川軍は手痛い打撃を被った。


徳川方は上田攻略を諦め、小諸城へと引き返した。9月11日、上方情勢が風雲急を告げる中、秀忠軍は遅まきながら西進を再開した。しかし、9月15日、秀忠軍が妻籠までたどり着いた時に、関ヶ原の戦いは終わった。戦後、家康は、秀忠の遅滞に怒ってしばらく面会を許さなかったと伝わる。


関ヶ原合戦後、昌幸と信繁は、長男信之の取り成しで死一等は免ぜられたが、九度山への配流が決定する。昌幸の改易後、上田領には信之が封ぜられたが、上田城は徹底的に破却される事となった。その後、信之は松代城に転封され、次に入ってきた仙石氏によって上田城は復興される。宝永3年(1706年)、仙石氏が但馬出石城に転封されると、代わって松平氏が上田城に入り、そのまま明治の世を迎えた。



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↑大手門



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↑南櫓



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↑真田神社


真田氏、仙石氏、松平氏といった歴代藩主が祀られているとの事です。私も有名になって、神社を作ってもらいたいものです。



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↑本丸土塁と堀


天正13年(1585年)8月、徳川軍との一度目の対戦の折には、昌幸は400人余の兵で、この本丸まで徳川軍を引き付けたそうです。第一次上田合戦当時の上田城はまだ土塁の城で、その時の名残が今でも残っています。



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↑上田城からの眺め


往時には、城周辺を徳川軍がびっしりと囲んでいたのでしょう。



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↑真田井戸


ここから、城北の太郎山に抜ける事が出来るのだとか。
( ´,_ゝ`) ふ~ん 戦国版どこでもドアってとこでしょうか。



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↑真田石


慶長5年(1600年)9月、第二次上田合戦当時の上田城は、要所、要所に櫓が築かれ、城下町を取り込んだ惣構えも有する、堅固な近世城郭に発展していました。仙石氏復興時よりも、昌幸時代の上田城の方が厳重な守りであったと考えられています。
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