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丹波黒井城

2008年10月、兵庫県丹波市にある黒井城に登って来ました。この城は標高356メートル、比高242メートルの山城であります。


黒井城は、建武年(1335年)、播磨の実力者、赤松円心の次男、貞範が猪ノ口山山頂に砦を築いたのが始まりであるとされている。戦国時代に至ると、地元の有力者、赤井氏(荻野)が城を支配する様になる。天正7年(1579年)、織田信長の部将、明智光秀によって黒井城は落城し、光秀の持ち城となる。天正10年(1582年)、本能寺の変で明智光秀が滅亡すると、代わって羽柴秀吉の部将、堀尾吉晴が城主となる。


天正12年(1584年)、羽柴秀吉と徳川家康が尾張長久手の地で激突した時、赤井直正の末弟、時直が徳川家に通じて一揆を起こし、黒井城に立て篭もる。しかし、一揆はほどなくして鎮圧されたと見られる。慶長6年(1601年)、関ヶ原合戦後、川勝秀氏が城主となるが、ほどなくして廃城になったと見られる。



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↑黒井城全景

猪ノ口山と言う、山全体が城域となっており、遠めにも堂々たる風格があります。 この城を大規模な城に改修したのは、丹波の赤鬼と呼ばれた傑物、赤井(荻野)直正(1529年~1578年)です。直正は丹波6群26万石の内、3群13万石余り?を支配した丹波最大の勢力であった模様です。直正が織田信長と敵対するに至ると、武田・毛利・本願寺はこの地に使者を遣わして、直正と誼を結び、共に織田家に対抗します。


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↑八分くらい登った所にある休憩所。

登り始めると角度の強い坂道が続き、息が切れたので、ここで一服。


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↑休憩所の下には、アリ地獄の巣がありました。

私はアリ地獄や食虫植物などの罠を張るような生物が好きなんですよね。このアリ地獄を持ち帰って「さあ、このアリをお食べ」と言って、怪しく微笑む私の姿が思い浮かぶ様です。しかし、持って帰る手立てもないので、愛しいアリ地獄達はそのままにしておきました。


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↑東曲輪跡

なかなか立派な石垣ですが、これは織田家が黒井城を支配していた時に作られたものだと思われます。


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↑手前が二の丸で奥が本丸


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↑本丸

休み休み登って行きましたが、30分くらいで登頂出来ました。 ここからの眺めは素晴らしく、「やったどー!おらは天下を取ったどー!」と叫びたくなりました。


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↑黒井城から北方を望む

手前の山も城の一角です。
天正3年(1575年)明智光秀の第一次黒井城攻めの際、こちら北方から進攻して来たと思われます。天正4年(1576年)1月、光秀は黒井城包囲中、波多野秀治の裏切りに遭って軍勢は総崩れとなり、命からがらで丹波から脱出し、第一次黒井城攻めは失敗となります。


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↑頂上から、京都亀岡方面を望む

下にタンクが見えますが、かつてはそこにも砦がありました。 明智光秀の第二次黒井城攻めの際は、この方面から進攻して来たと思われます。天正7年(1579年)6月、光秀は波多野秀治の居城、八上城を攻め落とすと、余勢をかって、一挙に丹波を平定しようと、この黒井城にも攻め掛かります。この時、赤井家では、柱石である赤井直正が前年天正6年(1578年)に病死してしまっており、求心力を失っていました。そのため、黒井城はろくな抵抗も出来ないまま、天正7年(1579年)8月9日、城は落城してしまいます。


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↑黒井城の麓にある興禅寺

ここは黒井城の下館跡であり、赤井氏は普段ここに居住して政務を執っていたと伝わります。明智光秀が丹波を拝領すると、その重臣、斉藤利三が黒井城を任されます。天正7年(1579年)、この斉藤利三を父として、後の春日局ことお福がこの地で生まれます。
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