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知覧特攻平和会館

知覧特攻平和会舘は鹿児島県南九州市知覧町郡にある、歴史博物館です。太平洋戦争時、この地には陸軍の航空基地が置かれ、戦争末期に多くの特攻機がここから飛び立っていった事で知られています。




昭和16年(1941年)12月、知覧飛行場が建設される。昭和20年(1945年)3月、特攻基地となり、以降、陸軍特攻隊439名が沖縄へと飛び立っていく。隊員の多くは10代後半から20代前半の若者であった。その若者達の母親代わりとなって、親身になって世話していたのが富屋食堂の女将、鳥濱(とりはま)トメであった。トメは明日をも知れぬ隊員達のために心を込めた食事を振る舞い、預かった遺書、遺品を家族の元へと届けていった。同年8月、終戦を迎え、知覧飛行場からの特攻作戦も終わった。そして、進駐してきた米軍によって、知覧飛行場は徹底的に破壊される。



そのまま知覧飛行場と特攻隊の存在も忘れ去られつつあったが、トメは1人、木切れの慰霊碑を建てて毎日、供養を続けていた。トメは慰霊と平和のための観音堂建立を知覧役場に働きかけるも、反戦運動家らからは戦争賛美だとの批判を浴びせられた。それでもトメの誠心誠意の訴えを受けて、昭和30年(1955年)9月、特攻平和観音堂が建立された。昭和50年(1975年)4月、観音堂近辺に知覧特攻遺品館が開館し、昭和62年(1987年)2月、装いを新たに知覧特攻平和会館が開館する。






↑知覧特攻平和会館



館内の大部分は撮影不可で、特攻隊員の遺影、遺書、遺品が所狭しと展示されています。若き隊員達の最期の姿や、家族に宛てた遺書を読むと、胸に熱いものがこみ上げて来ます。当時の特攻作戦は、隊員からの純粋な志願もあれば、上官からの暴力を伴った強制もあったと聞きます。出撃直前の写真から垣間見れる隊員達の表情も様々で、朗らかな笑顔を浮かべる隊員もいれば、達観し遠くを見つめる様な隊員、無念さあるいは恐怖を噛み殺している様な隊員もいました。当時の教育もあったのでしょうが、10代の隊員の多くは純粋無垢に国家への奉仕を望んでいたように見受けれ、20代以上で妻子や恋人のいる隊員は無念の思いを抱えている人が少なからずいた様に見受けられました。個人の感想です。







↑零式艦上戦闘機52型丙



零戦の後期型で、速度と武装が強化されています。昭和20年(1945年)5月に鹿児島県、甑島(こしきしま)沖で海没した機体を、昭和55年(1980年)に引き揚げたものです。






↑零式艦上戦闘機52型丙





↑零式艦上戦闘機52型丙



知覧特攻平和会館には他に唯一の貴重な現存機である、四式戦闘機疾風も展示されていましたが、こちらは撮影不可でした。





↑復元三角兵舎



松林に作られた、半地下壕の宿舎です。当時の特攻隊員はこうした粗末な宿舎で、出撃までの僅かな時間を過ごしていました。






↑三角兵舎内部






↑特攻勇士の像






↑航空自衛隊T3練習機






↑一式戦闘機隼の復元機



平成19年(2007年)に公開された映画「俺は、君のためにこそ死ににいく」に使用されました。





↑灯篭と奥に特攻平和観音堂



慰霊祭が開かれるらしく、天幕と椅子が設置されていました。


知覧特攻平和会館では、映像資料も多く見られますが、時間が余りにも足らず、足早に見て回らずを得ませんでした。知覧では、他に鳥濱トメさんが営んでいた「ホタル館 富屋食堂」や武家屋敷も見て回りたかったです。次に来る事があれば、知覧で1泊したいところです。

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