ウォッカとは、東欧~ロシア原産の酒である。大麦・小麦・ライ麦・ジャガイモ・など穀物を原材料とし、蒸留後、白樺の炭でこしてから飲む。一般に無味、無臭、無色である。極寒の地で暖を取るという用途もあるため、アルコール度数は40度から50度と極めて高い。第二次大戦中、ロシア兵にとってウォッカは欠かせない飲み物であり、ロシア兵の燃料とも呼ばれた。そして、ロシア兵はウォッカに酔った勢いで、東ヨーロッパ全域で、またはアジアの満州で、はたまた自国のソ連領においても、略奪に励み、婦女暴行を繰り広げたのだった。
ロシア兵達 「ウォッカは俺達の元気の源、ウォッカウラー!!!」
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第二次大戦中、ロシア兵には1日100グラムのウォッカが支給されていた。しかし、戦闘では激しい緊張を強いられるので、この割り当ては、ロシア兵にとって甚だ不満足なものであった。ウォッカが取り出されると、ロシア兵は誰もがしんと静まりかえり、一同の目はビンに注がれる。外科用のアルコールは、職務上の目的に使用されることはなかった。ウォッカが不足すると、ロシア兵は工業用アルコールや凍結防止用アルコールも、ガスマスクの活性炭フィルターでこしてから飲んだ。結果はたちの悪い頭痛どころではない、飲みすぎて失明した者もいた。また、不凍液を飲み干したため、故障車両も頻発したと云う。
スターリン 「馬鹿共が!貴様らは地雷原をその足で切り開け!」
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冬の間、兵士達は大抵1日に1リットルの酒を飲んだ。公式の割り当てだけでは足りないので、実際の死傷者数を報告せずにその割り当て分を分け合ったり、戦線後方の村民と物々交換して手に入れた。また、自分達で考えられる限りの手法を使って、酒を醸造した。
スターリン 「酒を飲んだらさっさと突撃するんだ!グズグズしてると、背後の機関銃が火を噴くぞ!」
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`{| _.ノ;;/;;/,ゞ;ヽ、 .!-' 胸に七つの傷を持つ
| ='" | 赤い星の力を見たいのかね
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丿\  ̄ ̄ _,,-"ヽ 私の大ソ連粛清拳が火を噴くぞ
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ソ連軍は進撃する時、戦車に大量の歩兵を載せて進む。しかし、そんな不安定な戦車上でも、ロシア兵はウォッカを手放さない。ある時、戦車が窪みに落ちて大きく揺れ、乗車していた酔っ払いのロシア歩兵がそれに大いに怒って、ハッチを開いて操縦手を射殺すると云う事件も起こっている。ウォッカの支給が遅れたり、届かない事があると、ロシア兵はとんでもない代用品を飲む事もあった。毒ガス攻撃に対応するために作られた対化学兵器用薬液には多少のアルコールが含まれていたようだ。それを誰かがワインだと断言したため、ロシア兵達はこれを大量に飲んでしまった。この有毒な液体は科学戦に備えて、ごく微量を摂取すべきものだったのだが、大量に飲み込んだため28名の死者を出すと言う出来事もあった。
スターリン 「役立たず共が!貴様ら全員、シベリア荒野の肥料にしてやる!」
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現在では、ウォッカの需要はやや落ち込んでいるようだが、それでもロシア人にとってなくてはならない必需品である。ウォッカにまつわるこんなニュースもある。2009年、ある男性が失業の憂さ晴らしをするため、ウォッカをボトル8本(4リットル)もの量を飲み干した。すると、男性は昏睡状態に陥って病院へ運ばれた。男性の血中からは、致死量の二倍ものアルコールが検出され、医師を驚愕させた。男性は命は取りとめたが、しばらくは酷い頭痛に苦しめられ、「もう酒を一滴も飲まない」と誓った。
ロシアの厳しい冬の寒さから体を守る必需品ともいわれるウォッカ。しかし、現代のロシアで出回っているウォッカの半分は、マフィアなどが非合法的に作ったもので、逆に体をボロボロにしてしまう危険性が指摘されている。 非合法ウォッカの5%は、人体に有害な工業用メチルアルコールや薬品用アルコールを薄めただけの粗悪品であると云われている。また、悪い衛生状態で作られることも多く、危険に満ちている。ロシア人男性の平均寿命は59歳。その寿命を縮める大きな原因といわれているのが、非合法ウォッカである。PR