このブログでは主に戦国時代・第二次大戦に関しての記事を書き綴っています。
戦国史・第二次大戦史・面白戦国劇場など
龍造寺隆信は、天文15年(1546年)に18歳で家督を継いでから、悪戦苦闘しつつも、肥前において、徐々に頭角を現しつつあった。龍造寺氏の勃興は、隆信の力量あってのものだが、優れた家臣の力によるところも、また大きかった。その中でも、鍋島清房は家臣の最有力者にして、最大の忠臣であった。また、その息子である、直茂は俊英との誉れが高かった。そこで、隆信の母、大方殿(慶誾尼)は、龍造寺家と鍋島家との結び付きを更に強めんとして、清房にある縁談を持ち掛けた。清房の妻は、天文18年(1548年)に亡くなっていた事から、大方殿はその後妻に、龍造寺家の器量良しを紹介しようと持ち掛けたのである。
大方殿 「清房殿、わしが器量良しの女子を紹介して進ぜよう」
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清房 「なんと!このわしに嫁を紹介して頂けるのか!?大方殿のお眼鏡にかなった女子なら問題ない。この縁談、有難くお受け致す」
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清房 「器量良しの花嫁、早く来ないかな~」
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| `-=ニ=- | きっと、若くて綺麗なんだろな
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弘治2年(1556年)、鍋島清房の元へ、花嫁が到着した。だが、その花嫁とは、48歳の大方殿その人であった。
大方殿 「はいよ、お待たせしました。私が器量良しの花嫁ですよ。あ・な・た」
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清房 「おっ、大方殿!!」
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当主の母が、その家臣の下へと嫁ぐ。諸人からは、その破天荒な行動をそしる声も挙がったが、大方殿は意に返さなかった。こうする事によって、龍造寺家と鍋島家が固く結びつくと共に、直茂が隆信の義弟となり、その力を尽くさせる事になると信じていたからである。
肥前のクマさん 「直茂よ、これよりは我が義弟として、大いに働いてもらうクマー」
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/ ノ \ ヽ
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彡 (_●_) ミ 頑張れば褒美に
/、 |∪| ,\ シャケをあげるクマー
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直茂 「ふざけんな!何で俺が、クマを義兄キと呼ばなきゃなんねーんだよ!」
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/.: : : : : : : : : : : : : :: ヽ シャケなんかいらねーよ
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ヾ: :: : :i r‐-ニ┐| : : :ノ| /(入__ノ ミ
ゞイ! ヽ二゙ノ イゞ,.‐rニ(_/ ∪ノ
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肥前のクマさん 「ははは!本当に生意気で可愛い義弟クマー!」
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| ノ ヽ ∫ 愛い奴!
/ ● ●| riii= 愛い奴!
| ( _●_) ミ「 ノ
彡、 |∪| 、`\
(⌒ ヽノ r⌒ ! 〉
ヽ弋 (` ー'
〔勿\ ヽ _ /- イ、_ ベキ
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ドカ ドカ / ! |' /: : : : ::;:;: ;: ;:;: ; : : : ::ゝ ボキ
ドカ / /| l| {:: : : :ノ --‐' 、_\: : ::}
( く ! ~l {:: : :ノ ,_;:;:;ノ、 ェェ ヾ: :::}
ドカ \ i | ∥ l: :ノ /二―-、 |: ::ノ ぴぎゃあ!
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⊂ _ ⌒ヽ从 ⊃〉(_二─-┘{/ ̄⊃
直茂 「やりやがったな、こんにゃろー!」
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&. : : : : : : : : : ミ〈⊃ }
ミ.: : : : : : : : : : : : : : | |
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三 : : : :i ;;;/:' '⌒' i: : : | | | ノ --‐' 、_\
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/ __ゞイ!ヽ┃ニ゙ノ イゞ‐ / ヽノ ̄ヽ
(___) /`' / /\ 〉 ぐはあっ
ドゴオッ!
肥前のクマさん 「このクソ生意気義弟!喰らえクマーっ!!」
直茂 「うるせーっ!この馬鹿グマ義兄キィ!!」
_/- イ、_
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彡、 |∪| ミ______ノ 〉〉〉〉(_二─-┘{/ 、・∵ ’’ ・ヽ
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ドガアッ!!!
大方殿 「2人共、本当に仲が良いのう。これからは一致協力して、戦国の荒波を乗り越えていくんじゃぞ」
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∧. ,,ノ(、_, )ヽ、,, l ふふふ
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ちなみに鍋島清房と、大方殿との夫婦関係は仲睦まじいものであったとか。
天正13年(1585年)、鍋島清房が死去すると、大方殿は落飾して慶誾尼と号する。この女傑は通称、慶誾尼と呼ばれる事が多い。天正15年(1587年)、豊臣秀吉による島津攻めの際には、慶誾尼は秀吉宛てに酒肴を送って陣中見舞いをし、さらに盛大な炊き出しをして、秀吉軍を供応した。秀吉はその気配りに「さすがは、龍造寺後家よ」と云って感嘆し、礼状を送って感謝の意を伝えた。慶誾尼のその人となりは、天下人も認めるところであった。